《マギー・ホープ》シリーズ8冊創元推理文庫初版本　スーザン・イーリア・マクニール

1 「チャーチル閣下の秘書」2013年創元推理文庫版初版本: 訳者；圷（あくつ）香織
アメリカで育ったわたしが、ロンドンで暮らしはじめて１年余り
　その間、この国はナチス・ドイツと開戦し、チャーチルが首相になり、そしていま、空襲の時が迫っていた。
　そんな折、首相官邸（ナンバーテン）での職の話が舞い込んでくる。
　ただし、数学の能力を活かせる秘書官ではなく秘書としてのオファー・・
　女性にタイプとファイリングしかまかせようとしないこの国に苛立ちを感じながらも、わたしはその誘いを受け入れる。
　官邸を取り巻くいくつもの謀略が待ち構えていることなどするはずもなく
　才気煥発なマギーが体当たりで陰謀に挑む、魅力のシリーズ開幕編。

　訳者あとがき
　まずはチャーチルがなんと魅力的な男、宰相であるか、を描く♪
　第一次大戦後の腑抜けた平和主義がいかにナチスの跋扈を許す愚かな選択肢であったかをチャーチルが説くシーンには、現代を生きるわたくしには深く考えさせられる次第♪
　また、主人公はよんどころのない事情で英国に来たものの本来はマサチューセッツ工科大学の大学院へ進学するはずだった才媛で、数学を愛し、「わたしほどの優秀な人材が、女というだけでタイプしかさせてもらえないなんて」と鼻息が荒い♪
　で、普通であれば“鼻につく”女、鬱陶しさ間違いない“性格”なのだが、当時の世、偏見と闘っていくのは、並大抵のことでもないかと、逆に拍手♪
であるが故、この小説は成り立つのかも♪

2 「エリザベス女王の家庭教師」2014年初版
3 「国王陛下の新人スパイ」2015年初版
4 「スパイ学校の新任教官」2015年初版
5 「ファーストレディの秘密のゲスト」2016年初版
6 「バッキンガム宮殿のVIP」2017年初版
7 「ホテル・リッツの婚約者」2018年初版
8 「スコットランドの危険なスパイ」2020年初版

　とにかく忙しい、第二次世界大戦のイギリスを舞台に“アメリカ”育ちの乙女が訳の分からない“運命の双六”に翻弄される、果たしてミステリ♪
エリザベス女王、ココ・シャネルまで動員しての“スパイ小説”、お約束の恋愛、友情、スパイ小説ばりのアクションも♪
　作者の狙いは的確で、映画のカットを綿々と積み重ね、一気読みは必死♪

　蔵書放出♪
　古書レベルとしての本の状態は極めて良好かと♪

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